52ヘルツのクジラ――他のクジラには聞き取れない高さで鳴くため、世界で一番孤独だと言われるクジラ。誰にも届かない声で鳴き続けるその姿は、この物語の登場人物たちそのものです。
町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』は2021年の本屋大賞受賞作。家族に人生を搾取されてきた女性・貴瑚と、声を発することができない少年の出会いを描き、映画化もされました。この記事では、オーディオブック版の基本情報と聴きどころを紹介します。
📖 この記事でわかること
- 『52ヘルツのクジラたち』のあらすじ(ネタバレなし)
- オーディオブック版の基本情報(ナレーター・再生時間)
- 「声」の物語を朗読で聴く意味
- 聴くときに心に留めておきたいこと
『52ヘルツのクジラたち』はどんな小説?
都会から大分の海辺の町に越してきた三島貴瑚。彼女は家族に縛られ、自分の人生を生きられなかった過去を抱えています。ある日出会ったのは、母親から「ムシ」と呼ばれ、言葉を発しない少年。かつて自分の「魂の声」を聞いてくれた人がいたように、貴瑚は少年の声なき声に耳を澄ませ始めます。
虐待、ヤングケアラー、性のあり方――重いテーマを扱いながら、物語の芯にあるのは「誰かの声を聞くこと」の尊さ。過去と現在が交互に語られる構成で、最後には確かな光が差す物語です。
オーディオブック版の基本情報
| 著者 | 町田そのこ |
| ナレーター | 安田愛実 |
| 再生時間 | 9時間48分 |
| 配信日 | 2025年12月12日 |
| 配信 | Audible(聴き放題対象・記事執筆時点) |
比較的最近オーディオブック化された作品で、待っていたファンも多い1冊。約9時間48分と、週の通勤でちょうど聴き切れるボリュームです。
「声を聞く物語」を耳で聴くということ
本作は「届かない声」「聞いてもらえた声」の物語。だからこそ、人の声で聴くオーディオブック版には特別な意味があります。貴瑚の一人称の語りを安田愛実さんの声で追ううちに、「誰かの声に耳を澄ませる」という作品のテーマを、文字通り体験している自分に気づくはずです。
こんな人におすすめ
- 本屋大賞受賞作をオーディオブックで押さえたい人
- 映画を観て原作も味わいたくなった人
- しんどい日々の中で、最後に救いのある物語を求めている人
- 町田そのこ作品をこれから読み始めたい人
どのサービスで聴ける?
記事執筆時点では、Audibleで配信されており、聴き放題(プレミアムプラン)の対象です。配信状況は変わることがあるため、アプリ内で「52ヘルツ」と検索して確認してください。
よくある質問
Q. つらい描写はありますか?
A. 虐待などの描写があり、人によっては苦しく感じる場面があります。ただし物語は再生へ向かう構成で、読後感は温かいものです。
Q. 映画を観ていても楽しめますか?
A. 楽しめます。小説版は貴瑚の内面の語りが濃く、映画とは違う深さで人物を味わえます。
Q. 泣きますか?
A. 終盤は涙腺注意です。電車で聴く場合は覚悟してください。
あなたの周りにも、52ヘルツの声で鳴いている人がいるかもしれません。その声に気づくための9時間48分。静かな夜に、ぜひ。
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