目覚めると、そこは見知らぬ小部屋。自分の名前も、なぜここにいるのかも思い出せない。分かるのは、隣のベッドにふたりの遺体があること、そして窓の外が――宇宙だということ。記憶を失った男が少しずつ思い出していく「人類を救うミッション」とは。
『火星の人』(映画『オデッセイ』原作)のアンディ・ウィアーによる『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、世界中のSFランキングを制覇し、ライアン・ゴズリング主演で映画化される話題作。Audible版は上下巻あわせてレビュー3,900件超・平均4.9という、驚異的な評価を受けています。「オーディオブックで聴いてよかった作品No.1」との呼び声も高い本作、その理由を紹介します。

📖 この記事でわかること
- 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のあらすじ(ネタバレなし)
- オーディオブック版の基本情報(ナレーター・再生時間・評価)
- 「音」がこの物語で特別な意味を持つ理由
- 映画化前に原作を聴くべき理由
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』はどんな小説?
主人公は記憶喪失の状態で宇宙船の中で目覚めます。彼は実験と推理を重ね、自分が誰で、なぜ地球から遠く離れた星系にいるのかを突き止めていきます。明かされるのは、太陽が原因不明の減光を始め、人類が滅亡の危機に瀕していること。そして自分が、その解決策を探す「最後の希望」であることでした。
本作の魅力は、絶望的な状況を科学の力とユーモアで乗り越えていく爽快感。ウィアー作品おなじみの「科学でなんとかする」精神が全開で、物理も化学も生物学も、パズルのピースのように物語を進めます。
そして本作には、SF史に残る「ある出会い」が待っています。詳細は絶対にネタバレを踏まずに聴いてほしいのですが、この出会いこそ、本作が「泣けるSF」と呼ばれる理由です。
オーディオブック版の基本情報
| 著者 | アンディ・ウィアー(訳: 小野田和子) |
| ナレーター | 井上悟 |
| 再生時間 | 上巻13時間/下巻12時間38分 |
| 配信日 | 2023年5月26日(上)/6月30日(下) |
| 評価 | ★4.9/5.0(上下巻あわせて3,900件超)(記事執筆時点のAudibleカスタマーレビュー) |
| 配信 | Audible聴き放題(プレミアムプラン)対象 ※記事執筆時点 |
朗読は井上悟さん。理系の説明パートの明快さと、主人公の軽口のテンポ、そして「あの相棒」の表現力が絶賛されています。
聴きどころ
1. この物語では「音」そのものが重要な役割を果たす
ネタバレを避けつつ言えば、本作には「音」がコミュニケーションの鍵になる展開があります。活字では文字表現で工夫されていたその要素が、オーディオブックでは文字通り「音」として耳に届く。これは原作者も意図しなかったであろう、朗読版だけの魔法です。英語版オーディオブックが世界的な賞を受賞したのも、この相性の良さゆえです。
2. 科学の謎解きが「実況」で聴ける
記憶喪失の主人公が実験で自分の状況を突き止めていく序盤は、まるで科学ミステリーの実況中継。「重力を測って自分がどの星にいるか計算する」といった知的興奮が、井上悟さんのテンポのよい語りでぐいぐい進みます。理系でなくても、いや理系でないほど「わかった!」の快感が味わえます。
3. 笑って、手に汗握って、最後に泣く
ウィアー作品の主人公は絶望的な状況でも軽口を叩き続けます。この明るさが声で演じられると、悲壮感より「一緒に頑張ろう」という気持ちに。そして終盤、その明るさの積み重ねがあるからこそ、ラストの選択に涙腺が決壊します。上下巻25時間半、感情のフルコースです。
再生時間の目安|倍速でどれくらい?
| 再生速度 | 所要時間 | 1日1時間聴く場合 |
| 1.0倍速 | 約25時間38分 | 約26日 |
| 1.5倍速 | 約17時間5分 | 約18日 |
| 2.0倍速 | 約12時間49分 | 約13日 |
科学の説明パートは等倍でじっくり、冒険パートは1.5倍速でテンポよく、という使い分けがおすすめ。下巻は止めどころが見つからないので、時間に余裕のある週末に突入することをおすすめします。
こんな人におすすめ
- 『火星の人』『オデッセイ』が好きだった人
- 映画公開前に原作を押さえておきたい人
- 理系の知的興奮とエンタメを両立した物語が好きな人
- 「オーディオブックならではの体験」を一度味わってみたい人
- 最後に泣けるSFを探している人
どのサービスで聴ける?
記事執筆時点では、Audibleで上下巻とも配信されており、聴き放題(プレミアムプラン)の対象です。配信状況は変わることがあるため、アプリ内で「プロジェクト・ヘイル・メアリー」と検索して確認してください。
よくある質問
Q. SFに詳しくなくても楽しめますか?
A. 楽しめます。専門用語は主人公が「翻訳」しながら進めてくれる構成で、科学が苦手な人でも置いていかれません。
Q. 『三体』とどちらを先に聴くべき?
A. 作風がまったく違います。壮大で重厚な『三体』に対し、本作は明るく痛快。初めての海外SFなら本作のほうが入りやすいでしょう。
Q. ネタバレを見てしまうとどれくらい損しますか?
A. 甚大です。本作は「何も知らずに聴く」ことの価値が特に大きい作品。SNSで検索する前に、まず上巻の冒頭を聴き始めてください。
Q. 映画とオーディオブック、どちらを先にすべき?
A. 原作が先を強くおすすめします。記憶喪失の主人公と一緒に謎を解いていく構造は、先に映像で答えを知ると味わえません。
まとめ
人類最後の希望を託された男と、宇宙の果てでの出会い。この物語を「耳」で体験できることは、オーディオブックユーザーの特権です。
映画で誰かに結末を語られる前に。25時間半の壮大なミッションへ、どうぞ。
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