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『何者』のオーディオブック|榎木淳弥の朗読で聴く直木賞受賞の就活小説

『何者』のオーディオブック|榎木淳弥の朗読で聴く直木賞受賞の就活小説

就活を経験した人なら、この本のどこかに必ず「自分」がいます。朝井リョウさんの『何者』は、戦後最年少(当時)で直木賞を受賞した、就職活動を題材にした青春小説の金字塔。SNS時代の自意識を切開する容赦なさは、刊行から10年以上経った今も色褪せません。

オーディオブック版は声優・榎木淳弥さんの朗読で7時間53分。主人公・拓人の一人称で進む物語は、耳で聴くと「他人の頭の中を盗み聞きしている」ような生々しさがあります。

  • 『何者』のあらすじと魅力(ネタバレなし)
  • オーディオブック版の基本情報
  • 「観察者」拓人の語りが耳で化ける理由
目次

『何者』はどんな本?

就活を控えた大学生・二宮拓人は、同居する光太郎、その元恋人の瑞月、意識高い系の理香、クリエイター気取りの隆良ら5人で「就活対策本部」のような集まりを持つようになります。互いのESを添削し、面接情報を共有し、励まし合う——表向きは。

物語の武器は、拓人の観察眼です。仲間の言動の痛々しさを、彼は心の中で的確に、皮肉たっぷりに実況します。読者は拓人の視点に乗って「分かる、いるいる、こういう人」と笑ってしまう。その笑いが、終盤で丸ごと自分に返ってくる構成が本作の本領です。

SNSの裏アカウント、「本当の自分」幻想、批評する側に回ることの安全さ。就活小説の皮を被った、自意識の解剖書です。

オーディオブック版の基本情報

著者朝井リョウ
ナレーター榎木淳弥
再生時間7時間53分
配信Audible(オーディブル)

聴きどころ

1. 榎木淳弥さんの「内心の声」

拓人の表向きの穏やかな台詞と、内心の辛辣なモノローグ。この温度差の演じ分けが本作の朗読の肝で、榎木さんはそれを見事にやってのけています。

2. SNSの投稿文が「音読」される居心地の悪さ

作中には登場人物たちのSNS投稿が頻繁に挟まれます。イタい投稿が真顔で音読されるのを聴く体験は、文字で読むより数倍居心地が悪い(=効果的)です。

3. 終盤の「あの場面」の破壊力

詳細は伏せますが、終盤に拓人が直面する場面は、日本の青春小説史に残る痛烈さです。耳で聴くと逃げ場がありません。

再生時間の目安|倍速でどれくらい?

標準で7時間53分。1.5倍速なら約5時間15分、2倍速なら約3時間57分です。会話とモノローグ中心で聴きやすく、倍速でもストーリーを見失いにくい作品です。

こんな人におすすめ

  • 就活中・就活を控えた学生(覚悟のうえで)
  • 就活の記憶がまだ疼く20〜30代
  • SNSでの自意識に心当たりがある人
  • 『六人の嘘つきな大学生』が好きだった人

どのサービスで聴ける?

記事執筆時点では、Audibleで配信されています。聴き放題対象かどうかを含む最新の配信状況は、アプリ内で「何者 朝井リョウ」と検索して確認してください。

よくある質問

Q. 就活中に聴いても大丈夫な内容ですか?
A. 正直、無傷では済みません。ただ「就活で自分を見失う」ことへの最高の予防接種にもなります。

Q. 映画版とどちらが先がいい?
A. 原作(オーディオブック)を先に。拓人の内心の声こそが本作の本体で、映像では削られている部分が多いためです。

Q. 次に聴くなら?
A. 就活ミステリーの『六人の嘘つきな大学生』、自意識つながりで『コンビニ人間』へ。どちらも当サイトにレビューがあります。

まとめ

『何者』は、他人を批評している間は安全だと信じているすべての人への劇薬です。7時間53分、笑って、ざわついて、最後に静かに刺される。この読後感(聴後感)は一生モノです。

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