京都の大学生が謎の競技「ホルモー」に巻き込まれ、奈良では鹿がしゃべり出す。万城目学さんの小説は、実在の街に「ありえない出来事」がするりと入り込む、唯一無二の愉快な世界です。読んでいるうちに、本当にその街でそんなことが起きている気がしてくるから不思議です。
会話の間合いとツッコミの呼吸が命の万城目作品は、実は朗読との相性が抜群。直木賞受賞作「八月の御所グラウンド」をはじめ、オーディオブック化も続々と進んでいます。この記事では、配信が確認できたおすすめ作品を紹介します。
📖 この記事でわかること
- オーディオブックで聴ける万城目学作品と各作品の魅力(ネタバレなし)
- 「マキメワールド」の入口にふさわしい1冊
- 笑いたい気分・じんわりしたい気分それぞれのおすすめ
- どのサービスで配信されているかの目安
目次
万城目学作品と朗読の相性
万城目作品の面白さは、荒唐無稽な設定を大真面目に語る「語り口」にあります。主人公たちのぼやき、関西弁の応酬、そして時折ふっと差し込まれる切なさ。この温度変化は、声に出して読まれることで一層引き立ちます。ナレーターの演技で笑いの「間」が生まれるので、活字で読むのとはまた違うライブ感があります。通勤中ににやにやしてしまう危険だけはご注意ください。
オーディオブックで聴ける万城目学のおすすめ作品
鴨川ホルモー
万城目学(映画化)
京都の大学に入学した安倍が、怪しいサークル「京大青竜会」に勧誘されるところから始まる青春小説。千年の都で繰り広げられる謎の競技「ホルモー」の正体とは。デビュー作にして代表作、マキメワールドの原点です。
鹿男あをによし
万城目学(朗読:篠井英介/ドラマ化)
神経衰弱気味で奈良の女子高に赴任した「おれ」に、ある日鹿が話しかけてくる。日本の危機を救う「運び番」に任命された教師の奮闘を描く、奈良を舞台にした痛快ファンタジー。堂々たる語りが物語の可笑しみを引き立てます。
八月の御所グラウンド
万城目学(第170回直木賞受賞/朗読:高坂篤志)
真夏の京都、御所のグラウンドで行われる草野球に呼び出された大学生が出会う、不思議な出来事。青春の眩しさと喪失がやさしく溶け合う連作で、直木賞に輝いた表題作を含みます。笑って、最後に少し泣ける1冊です。
偉大なる、しゅららぼん
万城目学(朗読:吉野貴大)
琵琶湖のほとりの旧家に伝わる不思議な力をめぐる、湖国スペクタクル。高校生の日出淡十郎と従兄弟の涼介が、湖の力を継ぐ者として騒動に巻き込まれていきます。スケールの大きなホラ話を全力で楽しめます。
悟浄出立
万城目学(朗読:北斗誓一)
西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲など、名作の「脇役」たちを主人公に据えた歴史短編集。笑いの印象が強い万城目作品のもうひとつの顔、静かで凛とした名品ぞろいです。短編なので隙間時間にも聴きやすい構成です。
あの子とQ
万城目学(朗読:村上麻衣)
吸血鬼の少女・弓子と、彼女を見張る謎の球体Qの日常を描く青春ファンタジー。軽快なやり取りの奥に、大切なものを守ることの意味が込められています。近年のマキメワールドを代表する快作です。
※配信状況・ナレーターは変更される場合があります。2026年7月3日時点の情報のため、聴く前に各サービス内で検索してご確認ください。
はじめての1冊の選び方
- 王道から入りたいならデビュー作「鴨川ホルモー」。京都の空気ごと楽しめます
- 笑いと感動のバランスなら直木賞受賞作「八月の御所グラウンド」
- 短編で試したいなら「悟浄出立」。意外な一面に出会えます
どのサービスで聴ける?
「鹿男あをによし」「八月の御所グラウンド」「偉大なる、しゅららぼん」「悟浄出立」「あの子とQ」はAudibleでの配信が確認できます。「八月の御所グラウンド」はaudiobook.jpでも配信されています。聴き放題対象かどうかは時期により変わるため、聴く前に各サービス内で検索して確認してください。京都や奈良への旅のお供に、現地を歩きながら聴くのも格別です。
よくある質問
Q. 万城目作品はどれから聴いても大丈夫ですか?
A. 基本的にどの作品も独立しているので、気になったものから聴いて問題ありません。「ホルモー六景」だけは「鴨川ホルモー」の後がおすすめです。
Q. 関西弁のセリフは聴き取りにくくないですか?
A. ナレーターが自然に演じ分けてくれるので、むしろ活字より雰囲気が伝わりやすいという声もあります。サンプル再生で確認してみてください。
Q. 「プリンセス・トヨトミ」は配信されていますか?
A. 2026年7月3日時点では、主要サービスでのオーディオブック配信を確認できませんでした。配信状況は変わる可能性があるため、各サービス内で検索してみてください。
Q. 笑える作品と泣ける作品、どちらが多いですか?
A. 基本は笑いですが、終盤にじんわり泣かせるのが万城目流です。「八月の御所グラウンド」はその魅力が最も分かりやすく味わえます。
まとめ
万城目学のオーディオブックは、日常の景色に不思議が混ざり込む「うれしい異変」の時間です。まずは「鴨川ホルモー」で京都の夜を駆けるか、「八月の御所グラウンド」で真夏の奇跡に立ち会うか。聴き終わる頃には、京都や奈良の街が少し違って見えるはずです。
関連記事をもっと見る
出典・参考・編集方針
本記事は各サービスの公式サイトの公開情報をもとに、編集部が2026年7月3日に確認・整理したものです。料金・配信状況は変更される場合があるため、利用前に必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。
※本記事の内容は2026年7月3日時点の情報です。
コメント